膝は登山中に大きな負担を受ける部位で、痛みや違和感を感じることがよくあります。しかし、その痛みの原因は膝自体にあるのではなく、太ももの筋肉が疲れていることが多いです。太ももの筋肉が硬くなると、膝周りの筋肉にも影響が出て、膝に負荷がかかります。そうすると、登山中に膝が痛くなったり、下り坂でぐらついたりするようになります。このような状態を放置してしまうと、膝の損傷や変形を招く恐れがあります。登山を楽しむためには、膝のケアが欠かせません。この記事では登山の膝痛に悩むあなたに向けて、効率的な歩き方や体のメンテナンス方法を中心に膝の負担を減らすコツをご紹介します。
登山で膝痛が起こる原因
登山は平地での歩行より筋肉の負担が大きいです。また普段の歩行より歩く時間が長いため持久力も必要となります。膝痛の原因は、太ももの筋肉が疲れて、膝に負担がかかるからです。
登りの姿勢で疲れて前かがみになっていませんか?この姿勢では頭が前に出ているだけで重心が前の脚に乗っていないためバランスを保ちにくくなります。体を持ち上げるためには太ももの筋肉のみに過度に負担がかかります。
膝に負担をかけないようするためには、負担を分散、軽減させるとこが大切です。負担を分散させる方法は太ももの筋力強化が効果的です。しかし太ももの筋肉に依存しすぎると特定箇所に強い負担がかかります。
負担を軽減させるためには、歩き方を工夫することが大切になります。
効率的な歩き方
効率的な歩き方はバランスを上手に保って歩くことです。
足が着地する時に、肩、股関節、足が一直線になり、重心と体の線がほぼ同一線上にある状態です。
①背中を伸ばして、足首をできる限り倒して、膝を前に出します
②膝が前に出たぶんだけ、重心の位置も支持脚(前足)に近づいて効率的に登れます
膝だけでなく腰や股関節に負担を分散して歩くことで膝痛を予防することができます。
メンテナンス方法
効率的な歩き方はバランスを上手に保って歩くことです。バランスを上手に保つためにはある程度筋力が必要です。また股関節や足関節の柔軟性があるとより少ない筋力で効率よく体を保つことができるため、長くバランスを保つことができます。
片足立ちでバランステスト
自分がバランスを上手に取れているかチェックしてみましょう。
全身が映る鏡の前に立ち、両手を腰にあて、片方の膝を腰の高さまで上げ10秒間、静止します。スマホの動画撮影でチェックするのもよいです。
体が傾いていないか、ふらついていないか、苦手な方は左右どっちか、長く立っているときつくなってくる部位はどこかをチェックします。
太もも(大腿四頭筋)の筋トレ
登山のための太ももの筋トレはランジがおすすめです。
①肩幅に足を開いた姿勢から、②一歩足を踏み出しゆっくり膝を曲げ腰を落とします。左右足を変えてくり返します。膝が内側に倒れないように注意して下さい。前に出した足の膝の角度が深いほど負荷が大きくなります。はじめは軽めに膝を曲げた状態から行い、慣れてきたら深く曲げるようにしましょう。
足の指の筋トレ
立つ時や歩くときに足の指の力を使えると効率的にバランスを保つことでができます。足の指の筋トレにはタオルギャザーがおすすめです。
タオルを準備します。椅子に座って床に広げたタオルを足の指を曲げながらたぐりよせます。左右くり返します。
股関節のストレッチ
股関節の柔軟性があると特に段差や急斜面が多い場所で重心移動がしやすくなりバテにくくなります。股関節は慣れないうちは動きません。無理せず少しずつ柔軟性を高めていきましょう。
痛気持ちいい程度の姿勢で、ゆっくり呼吸をしながら30秒から1分間姿勢をキープします。
筋トレやストレッチは無理せず続けることが大切です。
まとめ
登山中の膝痛は、太ももの筋肉疲労が原因で起こることが多いです。効率的な歩き方を身につけることで膝の負担を分散し軽減することで膝痛を予防することができます。股関節、足関節の柔軟性があれば重心移動がしやすく疲れにくい歩き方ができます。登山前に体をメンテナンスして登山を楽しみましょう。
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